ECサイト運用に必ず必要?プライバシーポリシーの役割とは
WEB業界で用いられる頻度の高いプライバシーポリシー。特に、商品やサービスの販売を目的とするECサイトには、プライバシーポリシーが掲載されているケースが多いです。しかし、プライバシーポリシーの役割を把握している人は少ないのではないでしょうか?この記事では、プライバシーポリシーの役割や内容について解説します。
プライバシーポリシーとは
プライバシーポリシーとは、個人情報やプライバシーの取り扱いに際し、サイト運営者がどのように配慮をしているのかを表した指針です。「個人情報保護方針」や「プライバシーステートメント」と呼ばれることもあり、利用規約と同時に作成・公開されるケースが多いでしょう。個人情報保護法によって定められている内容を、サイト運営者が履行していることを証明するために記載するのが一般的です。
■記載は義務?重要性は?
プライバシーポリシーの記載は、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、個人情報保護法を履行していることを示すプライバシーポリシーの設置により、自社サイトの利用者に安心感を与えたり、透明性のアピールを行ったりするといった効果が期待できるでしょう。そのため、ECサイト運営者にとってプライバシーポリシーは重要な要素といえます。
■プライバシーポリシー設置時の注意点
インターネット上には、プライバシーポリシーの「ひな形」を提供しているサイトもあります。しかし、それをそのままコピーして自社のECサイトに設置してはいけません。プライバシーポリシーは、商品やサービスの特徴、個人情報の種類、顧客の特徴、会社の経営方針や業務体制などを踏まえた上で、オリジナルの内容にすることが重要です。
プライバシーポリシーを作成するには何をするべき?
プライバシーポリシーには、自社がどのような目的で個人情報を利用するのかを記載する必要があります。そのため、まずは「自社が保有している個人情報の種類を洗い出す」ことが重要です。
■個人情報の種類って?
企業が保有する個人情報の種類は複数あります。例えば「既存顧客や見込み顧客の情報」「取引先担当者や商談中の企業の情報」などです。また、「自社が抱える従業員の情報」や、「求人に応募してきた求職者の情報」も、すべて個人情報に該当します。
■利用目的の整理
個人情報保護法第15条1項には、企業は個人情報の利用目的をできる限り特定しなければならない旨が記載されています。そのため、プライバシーポリシーの内容は利用目的別に具体的な記載が必要です。個人情報の種類が明確になった段階で、利用目的に応じたプライバシーポリシーの文面を作成しましょう。
プライバシーポリシーにはどんなことを書けばいいの?
実際に、「利用目的に応じたプライバシーポリシーの内容」とはどのようなものが挙げられるのでしょう。こちらで解説します。
■個人情報に関する内容
まずは挙げられるのが、個人情報に関する内容です。項目としては、「個人情報取り扱いに関する基本方針」「個人情報の定義」「個人情報の取得方法」「個人情報の利用目的」「個人情報の管理方法」になります。個人情報の利用目的を明確にする内容を記載しましょう。
■個人データに関する内容
個人データとは、「簡単に検索できる状態になっている個人情報」を指します。例えば氏名が五十音順にファイリングされていたり、何らかのツールを利用し安易に検索できるようなっていたりするケースです。
個人データに関しては「個人データの共同利用について」「個人データの第三者提供について」「個人データの開示、訂正等の手続きについて」を明記します。グループ会社や関係会社と個人情報を共有する場合に記載する必要がある項目です。委託先の企業に情報を預ける可能性がある企業も、個人データに関する内容を明示しておきましょう。
■連絡先の掲示
個人情報の取り扱いに関する問い合わせを受け付ける連絡先を記載します。これは法律により、個人データの取り扱いに対する苦情の申し出先を、「知り得る状態におく」ことが求められているためです。利用者が問い合わせ先を把握できるよう、プライバシーポリシー内にしっかり記載しておきましょう。
■ECサイト運営者に必要なプライバシーポリシーの項目
WEBサイト経由で個人情報を取得するECサイトの運営者は、「SSLセキュリティについて」「Cookie(クッキー)について」といった項目も記載する必要があります。逆に、WEBサイトから個人情報を取得しない場合は必要ありません。
この記事では、プライバシーポリシーの役割や記載するべき内容を解説しました。プライバシーポリシーは、法律で設置が義務付けられているわけではありません。しかしECサイトを運営する上では、顧客に安心感を与え、透明性をアピールするために必要な要素です。必要な内容を事前に確認し、個人情報の利用目的に応じた自社オリジナルのプライバシーポリシーを作成することをおすすめします。