Eメールは時代遅れ?越境ECにはSMSをおすすめする理由とは?
越境ECで商品を販売している人の中には、「思ったより売れないな」「この前のキャンペーン外れたな」など、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。それは、商品やキャンペーンが悪いのではなく、情報を伝える手段が悪いのかもしれません。今回は海外の顧客に連絡を取るツールには、EメールではなくSMSが適している理由について紹介します。
海外顧客にEメールを送信する効果は?
あなたは毎日自分のスマートフォンに送られてくるキャンペーンメールに、どれだけ目を通しているでしょうか。そもそも開封すらしていない人が多いでしょう。
日本ですら読まれにくい広告メールですが、海外ではそもそもEメールは開封しないことが一般的です。Eメールの開封率は、実に1~2%といわれています。このような状態では、どれほど戦略的に優れたEメールを送っても、顧客に情報は届きません。つまり、売り上げにつながらないのです。
SMSが世界で最も利用されている
Eメールが開封されていないだけで、利用されているコミュニケーションチャンネルは存在しています。実はSMSが、海外で最も利用されているコミュニケーションツールとなっているのです。開封率は85%と非常に高く、Eメールの20倍ともいわれています。
たとえば日本では年間6億通配信されているSMSが、米国では年間2兆通も配信されているようです。人口が日本の半分にも満たないスロバキアでも、年間55億通のSMSが配信されています。日本ではLINEが最も用いられているコミュニケーションアプリかもしれませんが、コミュニケーションに使われるアプリは国や人によって異なります。
ダウンロードやアカウント交換などの手間もかからないため、電話番号の交換のみでやり取りできるSMSが重宝されているのです。世界中のスマートフォン所持者にとって、SMSが最も使い勝手がよいサービスとなっています。各地域で使われているコミュニケーションアプリを調べるより、SMSを利用したほうがコストも少なく済むでしょう。
またSMSの強さは、電話番号がなかなか変わらないという点にあります。迷惑メール用のメールアドレス、俗にいう「捨てアカ」を持っている人もいるでしょう。気軽に複数登録できたり、変更したりできるメールアドレスと異なり、金融機関の書類に記載し、家を借りる際に記入した電話番号は簡単に変更できません。SMSは狙った顧客に対して、適した情報を送り続けられるツールなのです。
SMSの開封率が高い理由
海外では携帯電話(ガラケー)の時代から、日本とは異なりキャリアメールがありませんでした。そのため、モバイル上のテキストツールといえばSMSを連想するのです。また、SMSは送れる文字数が限られており、一通送信するごとに通信料が発生するため、企業は情報を厳選して送付しています。
自然と送られてくる情報は顧客にとってメリットのあるものとなり「SMSでは有益な情報が送られてくることが多い」という認識が顧客側に定着しました。情報量が少ないため、読むことにも苦労しません。そのため、海外の顧客はSMSを高確率で開封するのです。
欧州のモバイルメッセージ配信サービス会社の調べによると、SMSに記載されているリンクをクリックする率は29%、そのうちの47%がリンク先で商品を購入したという結果が出ています。受信した際にポップアップも表示されるため、見落とされる心配もありません。
SMSの利用方法
Eメールもまったく無駄だというわけではありません。「あなたにお得な情報を載せたEメールを送りました。」とSMSで知らせればよいのです。英国のデジタルマーケティング会社の調査によると、SMSでEメール送付のリマインドをしたところ、Eメールの開封率が20~30%まで上昇したと報告されています。
また、日本企業における成功例もあるようです。ある食品を販売している小売業者は、香港の顧客に対してクーポンの送付やプロモーションをSMSで行ったところ、越境ECサイトからの売り上げが増加したといいます。メルマガではまったく売り上げが上がらなかったことから、SMSに切り替えたところ効果を実感したそうです。
次は台湾での事例で、マンションを販売する不動産会社がEメール配信からSMS配信に切り替えたところ、URLのクリック率が0.005%から9%まで改善しました。この企業は、現在でもコンスタントにSMSで情報を発信しています。このように①Eメールを送ったことをSMSでお知らせする。②Eメールで送っていた情報をSMSで配信する。という大きく分けてふたつのSMS活用方法があるのです。
海外でのコミュニケーションチャンネルは、SMSが主流となっています。「越境ECでプロモーションをしている、顧客を選んでクーポンも配布している。それなのに売り上げがうまく伸びていかない。」と悩んでいる時は、商品やプロモーションではなく、情報の伝え方が間違っているのかもしれません。「売り上げを改善したい。」「もっと売り上げを伸ばしたい。」と考えている人は、一度SMSで情報を発信してみてはいかがでしょうか。